昨日ご紹介したヘナ。
実は植物染めを語るうえで欠かせない存在がもうひとつあります。
それが「インディゴ」です。
ヘナは聞いたことがあっても、インディゴは初めて聞くという方も多いかもしれません。
しかし植物染めでは、ヘナと並ぶ重要な植物として古くから利用されてきました。
インディゴはマメ科の植物から作られる天然染料です。
世界各地で藍染めに利用され、日本でも藍染め文化として親しまれてきました。
私たちが普段履いているデニムの青色も、もともとはインディゴ染料がルーツとされています。
知らないうちに、私たちは昔からインディゴに触れてきたのです。
では、なぜ植物染めでインディゴが使われるのでしょうか。
その理由はヘナとの色の違いにあります。
ヘナはオレンジ系の色素を持つ植物です。
一方でインディゴは青系の色素を持っています。
この二つを組み合わせることで、自然なブラウンやダークブラウンを作ることができます。
植物染めで自然な色合いが生まれる背景には、この組み合わせの工夫があります。
インディゴにはもうひとつ特徴があります。
それは染めた瞬間に色が完成するわけではないということです。
インディゴは空気に触れることで酸化が進み、徐々に発色していきます。
そのため施術直後は少し緑っぽく見えることがあります。
初めて体験される方は驚かれることもありますが、失敗ではありません。
その後、2〜3日ほどかけて酸化が進み、深みのある色へと変化していきます。
この変化こそが植物染めの面白さでもあります。
同時に難しさでもあります。
一般的なカラー剤は、ある程度狙った色を再現しやすく設計されています。
しかし植物染めはそう単純ではありません。
白髪の量。
髪の太さや細さ。
これまでのカラー履歴。
ダメージの状態。
そして酸化の進み方。
様々な要素が重なりながら発色していきます。
だから同じ配合で染めたとしても、全く同じ色になるとは限りません。
美容師にとっては難しい部分でもありますが、だからこそ面白い部分でもあります。
前回より少し明るくしたい。
もう少し落ち着いた色にしたい。
赤味を抑えたい。
そんなご希望を伺いながら、その方の髪に合わせて少しずつ調整していきます。
植物染めは一度で完成するものではありません。
回数を重ねながら、お客様と美容師が一緒に理想の色を作り上げていくものだと考えています。
正解はひとつではありません。
植物には個性があります。
髪にも個性があります。
だからこそ、お客様ごとに色の表情も変わります。
髪匠りのんでは、美容師が一方的に色を決めるのではなく、お客様と一緒に理想の色を育てていく植物染めをご提案しています。
コメントを残す