女性に多い鉄不足と髪の関係

更年期について勉強を進める中で、女性ホルモンだけでなく「鉄不足」も髪と関係があることを知りました。

鉄というと「貧血」のイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、鉄の役割はそれだけではありません。

鉄は酸素を全身へ運ぶために欠かせない栄養素です。さらに細胞の働きやエネルギーづくり、細胞分裂にも関わっており、体を正常に維持するために重要な役割を担っています。

女性は月経や妊娠・出産などの影響で、男性より鉄不足になりやすいことが知られています。一方で、閉経後は月経がなくなるため、鉄不足が改善する方もいます。つまり、「更年期だから鉄不足になる」というわけではなく、それぞれ分けて考える必要があります。

では、鉄不足は髪とどのような関係があるのでしょうか。

現在の研究では、鉄不足がある方では抜け毛との関連が報告されています。特に「休止期脱毛」と呼ばれる抜け毛では、鉄の状態を確認する医師もいます。

ただし、ここでとても大切なのは、すべての抜け毛が鉄不足によるものではないということです。

加齢による変化、女性ホルモンの変化、睡眠不足、ストレス、栄養状態、頭皮環境など、髪にはさまざまな要因が関わっています。鉄不足もその一つの可能性ではありますが、原因を一つに決めつけることはできません。

美容師として日々お客様と接していると、「最近抜け毛が増えた」「髪が細くなった」「ボリュームが出なくなった」というご相談を受けることがあります。

そのたびに感じるのは、髪だけを見ていても本当の原因は分からないということです。

生活習慣はどうか。

睡眠はしっかり取れているか。

食事は偏っていないか。

ストレスは溜まっていないか。

体調に変化はないか。

そうした背景まで知ることで、初めてお客様に合ったご提案ができるのではないかと考えています。

もちろん、美容師が鉄不足を診断することはできません。

もし疲れやすさや立ちくらみ、息切れ、抜け毛、爪が割れやすいなどの症状が重なっている場合は、一度医療機関へ相談するという選択肢も大切です。

私はアンチエイジングを「髪だけをきれいにすること」だとは考えていません。

髪は体の一部です。

だからこそ、髪だけを見るのではなく、体全体の状態を知ることも大切にしたいと思っています。

これからも美容師として、髪だけでなく体についても学びながら、お客様により良いご提案ができるよう知識を深めていきたいと思います。

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