歩く?走る? 身体にちょうどいい運動って?
健康のために運動しよう。
そう思ったとき、
「ウォーキングよりランニングの方が運動になるのでは?」
「せっかくなら走った方が痩せるのでは?」
そんなふうに考えることもあると思います。
私自身、今では走ることが好きになりました。
朝の空気の中を走る気持ちよさや、走り終わった後の爽快感も好きです。
だから今回お伝えしたいのは、
「走るのは身体に悪いから、歩きましょう」
という話ではありません。
ウォーキングにもランニングにも、それぞれ良さがあります。
大切なのは、
今の自分の身体に合った運動を選ぶこと。
今回は「歩く」と「走る」の違いから、大人世代の運動について勉強してみました。
「歩く」も立派な運動
運動というと、
筋トレをする。
スポーツをする。
走る。
そんな少しハードなものを想像しがちですが、歩くことも身体活動の一つです。
歩いているとき、動いているのは脚だけではありません。
脚やお尻の筋肉を使い、体幹で身体を支え、腕を振り、心臓は全身へ血液を送っています。
歩く速度を上げれば、呼吸や心拍数も変わります。
しかもウォーキングは特別な技術や道具をほとんど必要とせず、自分の体力に合わせて強度を調整しやすい。
身体を動かす習慣の入り口として、とても取り入れやすい運動です。
では「走る」と何が違う?
ランニングになると、一般的にはウォーキングより運動強度が高くなります。
心拍数が上がりやすく、呼吸も増え、一定時間あたりのエネルギー消費も大きくなります。
心肺機能や持久力を高めるための刺激としても有効です。
つまり、
走ることには、走ることのメリットがある。
身体が慣れてくると距離が伸びたり、以前より楽に走れるようになったり、自分の成長を感じられる楽しさもあります。
そして何より、
「走るのが気持ちいい」
「走るのが楽しい」
と思える人にとっては、それ自体が運動を続ける大きな理由になります。
でも「いきなり走る」は少し違う
ここで考えたいのが、
運動習慣のなかった人が、健康のために突然走り始める場合です。
走ると、着地のたびに身体へ衝撃が加わります。
筋肉だけではなく、膝や足首、足部、腱などにも負荷がかかります。
もちろん、走ること自体が悪いわけではありません。
私たちの身体には、繰り返される運動刺激に少しずつ適応していく能力があります。
ただ、その適応には時間が必要です。
昨日までほとんど運動していなかった人が、
「明日から毎日5km走ろう!」
と急に負荷を上げれば、心肺機能だけではなく筋肉や関節、腱などが追いつかない可能性があります。
だから、
歩く
↓
少し速く歩く
↓
軽くジョギングする
↓
走る
と、身体の状態を見ながら段階を踏む。
遠回りに見えても、結果的には続けやすい方法なのだと思います。
強い運動ほど「活性酸素」が増える?
美容を考える人なら、
「活性酸素」
という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
運動すると筋肉で使われる酸素が増え、身体では活性酸素種(ROS)の産生も増加します。
特に運動強度が高くなるほど、その産生は増える傾向があります。
では、
「活性酸素が増えるなら、運動しない方が美容にはいいの?」
というと、そんな単純な話ではありません。
適度な運動によって生じる活性酸素は、身体にとって単なる「悪者」ではなく、身体が運動へ適応していくためのシグナルとしても働きます。
継続的な運動によって、身体の抗酸化防御機能も適応していきます。
つまり、
運動=活性酸素=老化
ではありません。
一方で、身体が慣れていない状態で強すぎる運動を繰り返したり、十分に休養をとらず回復が追いつかなかったりすれば、身体へのストレスが大きくなる可能性があります。
だからこそ、
運動。
食事。
睡眠。
休養。
これらをセットで考えることが大切なんですね。
「走ると老ける」って本当?
ランニングと美容について調べていると、
「ランニングをすると顔がたるむ」
「走ると老ける」
といった情報を見かけることがあります。
走ると身体には繰り返し上下方向の衝撃が加わります。
ただ、そこから直接、
「ランニングによって顔が下垂する」
とまで一般化できる十分な根拠があるとは言えません。
紫外線、加齢による皮膚や皮下組織の変化、体脂肪の変化、栄養状態など、顔の見た目にはさまざまな要因が関係します。
屋外で長時間運動するなら、ランニングそのものより紫外線対策も美容の観点では重要です。
ここも、
「美容のためには走らない方がいい」
と考える必要はなさそうです。
続かなければ、運動が嫌いになってしまうことも
身体への負担とは別に、もう一つ考えたいことがあります。
それが、
「続けられるかどうか」
です。
健康のために、
「毎日走る!」
「5km走る!」
「○kg痩せるまで頑張る!」
と最初から高い目標を立てる。
数日は頑張れるかもしれません。
でも、だんだんつらくなる。
今日は走りたくない。
昨日も走れなかった。
そして、
「私は意志が弱い」
と思ってしまう。
それでは、せっかく始めた運動がストレスになってしまいます。
運動は一度だけ頑張ることより、
自分の生活の中で続けられることの方が大切です。
「痩せるため」だけに運動しない
健康美シリーズで、私が特に伝えたいところです。
運動というと、どうしても
消費カロリー
に目が向きます。
「30分歩いて何kcal?」
「走ったらどれくらい痩せる?」
もちろん体重管理を目的に運動することも間違いではありません。
でも、身体を動かす意味はそれだけではありません。
筋肉を使う。
心肺機能に刺激を与える。
骨に荷重刺激が加わる。
身体活動量が増える。
気分転換になる。
睡眠にも良い影響が期待できる。
体重計には表示されない変化が、身体の中ではたくさん起こっています。
だから、
「痩せるために仕方なく運動する」
だけではなく、
「これからも元気に美容を楽しむために身体を動かす」
そんな考え方があってもいいと思います。
だから、まずは歩いてみる
運動習慣がないなら、いきなりランニングを始めなくてもいい。
まず外へ出てみる。
歩いてみる。
少し身体が温まってきたら、ちょっと速く歩いてみる。
それだけでも立派な身体活動です。
特に朝。
少し冷たい空気。
季節によって変わる空の色。
鳥の声。
いつも通っている道なのに、車では気づかなかった景色。
そんなものを感じながら歩いていると、
「運動しなきゃ」
という感覚とは少し違ってきます。
「ちょっと歩いてこようかな」
それくらいでいい。
そして身体が慣れてきて、
「もう少し動きたい」
「少し走ってみたい」
と思ったら走ってみる。
いつか走ること自体が楽しくなったなら、そのときはランニングを楽しめばいい。
歩くことも、走ることも、どちらもいい
ウォーキングとランニング。
どちらが上で、どちらが下というものではありません。
体力。
年齢。
運動経験。
身体の状態。
生活環境。
そして何より、
自分が続けられるかどうか。
それぞれ違います。
だから大切なのは、
強い運動をすることではなく、自分の身体に合った強度で身体を動かし続けること。
歩くことも。
走ることも。
どちらもいい。
これから運動を始めるなら、まずは朝の空気を感じながら気持ちよく歩いてみる。
そして身体が変わっていくのと一緒に、運動との付き合い方も変えていけばいい。
健康のために身体を動かす。
その健康が、これからも美容を楽しみ続けるための土台になる。
そんな「健康美」を、私自身も身体を動かしながら学んでいきたいと思います。