「便秘には水分をとりましょう」
よく聞く言葉ですよね。
水をたくさん飲むと、その水分が便に届いて、便が柔らかくなって出やすくなる。
なんとなく、そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
でも、体の中ではそれほど単純なことが起きているわけではありません。
今回は、水分と便の関係について調べてみました。
飲んだ水はどこへ行く?
私たちが飲んだ水や、食事に含まれている水分は、消化管を通る過程で体内へ吸収されていきます。
特に多くの水分が吸収されるのが小腸です。
さらに大腸でも水分が吸収され、残ったものが便として排出されます。
つまり、
水を飲む
↓
その水が大腸まで流れる
↓
便を直接ふやかす
という単純な仕組みではありません。
体は必要な水分を吸収しながら、便の水分量も調節しているんですね。
では、なぜ便は硬くなる?
ここで関係してくるのが、大腸を便が通過する時間です。
大腸では、内容物が運ばれている間にも水分が吸収されます。
そのため、大腸に長くとどまるほど水分が吸収され、便は硬くなりやすくなります。
つまり便の硬さを考えるときは、
「水をどのくらい飲んだか」だけではなく、「便が大腸をどのように移動しているか」も大切。
水分だけを見ていても、便秘のすべては説明できないということです。
じゃあ、水をたくさん飲めばいい?
もともと水分が不足している人なら、適切に水分を補うことは大切です。
脱水状態では、体は水分をできるだけ保持しようとするため、便も硬くなりやすくなります。
一方で、普段から十分に水分を摂っている人が、さらに大量の水を飲めば、その分だけ便が柔らかくなるとは限りません。
よく、
「便秘なら、とにかく水を2L飲む」
という話を聞きますが、必要な水分量は体格や食事、運動量、気温、発汗量などによっても変わります。
大切なのは数字だけを目標にすることではなく、
「自分は水分が足りているのか?」
と考えることなんですね。
食物繊維と水分の関係
水分について考えるとき、一緒に見ておきたいのが食物繊維です。
食物繊維には大きく分けて、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
水溶性食物繊維には、水分を含んでゲル状になる性質があります。
不溶性食物繊維は便のかさを増やすことなどによって、排便を支える働きがあります。
つまり、
水分だけではなく、何を食べているのかも大切。
ただし、ここでも「食物繊維をたくさん摂れば摂るほどいい」というわけではありません。
便秘の状態や体調によっては、食物繊維の種類や摂り方に注意が必要な場合もあります。
腸活では、何か一つを大量に摂るのではなく、全体のバランスを見ることが大切なんですね。
「朝の一杯の水」には意味がある?
「朝起きたら、まず一杯の水」
これも腸活ではよく聞きます。
ただし、朝飲んだ水がすぐに大腸まで届いて、便を柔らかくしているわけではありません。
前回勉強したように、大腸には一日の活動リズムがあります。
睡眠中は活動が低下し、目覚める頃から活発になりやすくなります。
そこに、
起きる
↓
水分をとる
↓
朝食を食べる
↓
体を動かす
↓
便意が来たらトイレへ行く
という一連の行動が加わります。
朝食を食べることで起こる**「胃結腸反射」**も、大腸が動くきっかけの一つです。
ですから「朝の一杯」は、それだけで便秘を改善する魔法の方法というより、
朝の生活リズムを作る習慣の一つ
と考えると分かりやすいと思います。
「水を飲めば出る」ほど単純ではない
ここまで調べてみると、便秘と水分の関係も、一つの原因だけでは説明できないことが分かります。
水分不足なら、適切に水分を補う。
食事では食物繊維なども意識する。
適度に体を動かす。
睡眠をとる。
便意が来たら、できるだけそのタイミングを逃さない。
そして、自分の生活リズムを整える。
食べる・飲む・動く・眠る・出す。
「便秘だから、とにかく水をたくさん飲もう」ではなく、
まずは、
「自分はそもそも水分が足りているのかな?」
と考えてみる。
腸活を勉強していると、何度も同じところに戻ってきます。
何か一つの方法ですべてを解決しようとするのではなく、毎日の小さな習慣を少しずつ整えていく。
やっぱり、それが腸活の基本なのかもしれません。
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