美容師が学ぶ腸活シリーズ、28日目です。
ここまで、腸内細菌、食物繊維、水分、運動、睡眠、ストレス、排便のリズムなど、いろいろな角度から腸について勉強してきました。
便秘についても、
「便が硬い」
「腸の動きがゆっくり」
「水分が足りない」
など、さまざまな原因があることを学んできました。
でも今回調べてみて、もう一つ大切な視点がありました。
それが、
「便は直腸まで来ているのに、最後にうまく出せない」
という状態です。
今回は「便をどう作るか」ではなく、最後にどうやって便を出しているのか?
排便と骨盤底筋の関係を勉強してみます。
骨盤底筋ってどこにある?
骨盤の一番下には、ハンモックのように広がっている**「骨盤底筋群」**があります。
膀胱や直腸、女性では子宮、男性では前立腺などがある骨盤内を下から支えている筋肉の集まりです。
骨盤底筋は、排尿や排便、腹圧の調節などにも関係しています。
「骨盤底筋」と聞くと、
弱くなったら鍛える筋肉
というイメージを持っている方も多いと思います。
私もそうでした。
でも排便について調べてみると、骨盤底筋にはもう一つ、とても重要な働きがありました。
それが、
「緩める」こと。
排便するときには、筋肉を締めるだけではうまくいかないんです。
排便は「チームプレー」
便が大腸を進んで直腸に入ると、直腸が広がり、その情報が神経を通して伝わることで便意を感じます。
そしてトイレに座って排便するときには、体の中でいくつもの動きが協力します。
大きく分けると、
お腹の圧力を使って便を押し出す
そして同時に、
骨盤底筋や肛門周囲を緩めて、便の出口を通りやすくする。
つまり、
「押す力」+「緩める力」
この二つの協調が大切なんですね。
力いっぱい「いきむ」だけが排便ではありません。
押しているのに出口がうまく緩まなければ、便は通りにくくなってしまいます。
出口には「角度」もある
さらに面白かったのが**「恥骨直腸筋(ちこつちょくちょうきん)」**という筋肉です。
これは骨盤底筋群の一部で、直腸の周囲を取り囲むように存在しています。
普段は直腸と肛門の間に角度を作ることに関わり、便が漏れないようにする仕組みの一部を担っています。
ところが排便するときには、この筋肉が緩みます。
すると直腸と肛門の角度が変化して、便が通りやすい状態になります。
つまり、
普段は出口を守る。
出すときには緩める。
骨盤底筋は、ただ強ければいい筋肉ではなく、状況に合わせて働き方を変えているんですね。
出そうとしているのに、逆に締めてしまう?
本来の排便では、
お腹で押す+出口を緩める
という動きが協力します。
ところが、便を出そうとしたときに骨盤底筋や肛門周囲が十分に緩まなかったり、逆に収縮してしまったりすることがあります。
こうした状態は**「排便協調障害」**と呼ばれます。
すると、
便意はあるのに出にくい。
何度もいきんでしまう。
出し切れていない感じがする。
といったことにつながる場合があります。
つまり慢性的な便秘の中には、
「腸が便を運べない」のではなく、「最後の出口でうまく出せない」
というタイプもあるということです。
じゃあ、骨盤底筋を鍛えればいい?
ここが今回、私が一番勘違いしていたところです。
骨盤底筋という言葉を聞くと、
「弱いなら鍛えよう!」
と考えてしまいます。
もちろん骨盤底筋の筋力が必要な場面もあります。
でも排便で大切なのは、単純な筋力だけではありません。
必要なときには締める。
そして、
出すときには緩める。
この切り替えが重要です。
いくら筋力があっても、排便するときに出口を緩めることができなければ、スムーズに便を出すことはできません。
だから、
骨盤底筋=とにかく鍛えればいい
ではないんですね。
筋力だけではなく、腹圧・骨盤底筋・肛門周囲などがタイミングよく協調して働くことが大切です。
「出し方」を再学習する治療もある
では、こうした排便協調障害がある場合はどうするのでしょうか。
専門的な検査で状態を確認したうえで行われる治療の一つに、
「バイオフィードバック療法」
があります。
機器などを使って、自分の筋肉の動きや力の入り方を確認しながら、
お腹で押す
+
骨盤底筋や肛門周囲を緩める
という排便時の体の使い方を練習します。
つまり薬で便を柔らかくするという方法だけではなく、
「出すときの体の使い方を再学習する」
という治療もあるんですね。
これは自己流で行う骨盤底筋トレーニングとは異なります。
慢性的に出しにくい場合などには、必要に応じて医療機関で原因を調べることも大切です。
便秘=「腸が動かない」だけじゃなかった
今回勉強して、便秘を見る視点がまた一つ増えました。
これまで、
食べ物を変える。
食物繊維を摂る。
水分をとる。
体を動かす。
睡眠や生活リズムを整える。
など、「便を作る」「便を運ぶ」という部分をたくさん学んできました。
でも排便には、その先があります。
最後にちゃんと出せるか?
便を出すには、
「押す力」と「緩める力」。
そして、それらを適切なタイミングで使う体の協調が必要です。
骨盤底筋も「鍛えるだけ」の筋肉ではなく、排便時にはきちんと緩むことが重要でした。
腸活という言葉から、どうしても「腸の中」ばかりを想像してしまいます。
でも、
便を作るところから、最後に便を出すところまで。
排便は腸だけの仕事ではありません。
28日目にして、また一つ「腸活」の見え方が変わりました。
残りあと2日。
30日間学んできた腸活が、少しずつ一つにつながってきました。
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