美容師が学ぶ腸活シリーズ、29日目です。
腸活というと、
食物繊維を摂る。
水分を摂る。
腸内環境を整える。
そんな「何を食べるか」という話をイメージしがちです。
でも、ここまで勉強してきて分かったのは、食べた後にも長い道のりがあるということ。
食べる
↓
消化する
↓
便を作る
↓
大腸で運ぶ
↓
最後に出す
前回は、この「最後に出す」というところで骨盤底筋が関係していることを勉強しました。
そして今回は、さらにその続き。
トイレに座る「姿勢」で、体の使い方は変わるのでしょうか?
調べてみると、普段何気なく座っているトイレにも、ちゃんと体の仕組みが関係していました。
排便には「出口の角度」が関係している
前回登場したのが、骨盤底筋群の一部である**恥骨直腸筋(ちこつちょくちょうきん)**です。
この筋肉は直腸を引っ張るように働き、普段は直腸と肛門の間に角度を作ることに関係しています。
これは、便が勝手に出てしまわないための仕組みの一つです。
そして排便するときには恥骨直腸筋が緩み、直腸と肛門の角度が変化して、便が通りやすい状態になります。
つまり排便は、
「お腹で便を押す」だけではなく、「出口を通りやすい状態にする」ことも大切。
では、この角度に姿勢は関係するのでしょうか?
座る姿勢と、しゃがむ姿勢
普段イスに座るような姿勢と、しゃがむ姿勢に近づけた状態では、股関節や骨盤周辺の位置関係が変わります。
研究では、しゃがむ姿勢に近づくことで、恥骨直腸筋による牽引が弱まり、直腸と肛門の角度がより開きやすくなることが報告されています。
イメージとしては、
普通に座った状態では少し曲がっている通り道が、
しゃがむ姿勢に近づくことで、少し緩やかになるような感じです。
もちろん、実際の体内がホースのように完全な一直線になるわけではありません。
あくまで、排便するときの体の構造が変化するということです。
洋式トイレではどうすればいい?
昔の和式トイレなら自然としゃがむ姿勢になりますが、現在は洋式トイレが一般的です。
だからといって、洋式トイレが悪いという話ではありません。
洋式トイレでも、
足元に小さな台を置く
↓
膝を股関節より少し高い位置にする
↓
上体をやや前へ傾ける
といった方法で、しゃがむ姿勢に少し近づけることができます。
肘を太ももや膝付近に置くと、上半身も安定しやすくなります。
「良い姿勢」と聞くと、
背筋をピーン!
と伸ばした姿勢を想像しますよね。
でも、普段の姿勢としての「良い姿勢」と、排便するときに体を使いやすい姿勢は、必ずしも同じではないんですね。
「いきむ」って何をしている?
便が出にくいと、
「もっと力を入れなきゃ!」
と思ってしまいます。
顔を真っ赤にして、息を止めて、全身に力を入れる。
私も「いきむ」と聞くと、そんなイメージを持っていました。
でも前回勉強したように、排便では、
お腹の圧力を使って押す
+
骨盤底筋や肛門周囲を緩める
という協調が必要です。
つまり、
「押す力」と「緩める力」のチームプレー。
お腹で押しているのに、出口まで一緒に力んで締めてしまったら、うまく協調できません。
だから「とにかく全身に力を入れる」ことが、必ずしも上手な排便とは限らないんですね。
呼吸も関係している
さらに、呼吸・腹圧・骨盤底筋はそれぞれ独立して働いているわけではありません。
呼吸によって横隔膜が動き、それに伴って腹圧や骨盤底筋も影響を受けます。
排便には腹圧が必要ですが、
ずっと息を止めて全力でいきみ続ければいい
というわけではありません。
専門的な排便訓練でも、
腹部を使って適切に圧をかけながら、骨盤底筋や肛門周囲を緩める。
こうした協調を練習することがあります。
ここでも大切なのは、
「力を入れるか、入れないか」ではなく、必要な場所を必要なタイミングで使えるか。
体って、本当によくできています。
足台を使えば誰でも出しやすくなる?
ここは誤解したくないところです。
しゃがむ姿勢に近づけることで、直腸と肛門の角度などが変化することは研究されています。
一方で、
「足台を使えば、便秘の人は必ず改善する」
とまでは言えません。
実際に便秘のある人を対象にした研究では、足台によって姿勢は変化しても、排便機能の改善が確認できなかったという報告もあります。
なぜなら便秘には、
便の硬さ。
大腸を移動する速さ。
食事や水分。
薬の影響。
そして前回勉強した排便協調障害など、
さまざまな原因があるからです。
ですから足台も、
「便秘を治すもの」ではなく、排便時に体を使いやすい姿勢を作るための一つの工夫
くらいに考えるのがよさそうです。
トイレに長く座れば出る?
「もう少し待っていれば出るかも……」
と、スマートフォンを見ながら長時間トイレに座ってしまう。
これもやってしまいがちですよね。
でも、便意がないのに長時間座り続けたり、何度も強くいきんだりする必要はありません。
前回まで勉強したように、排便には体のリズムがあります。
便意が来たときにトイレへ行き、無理に長時間頑張らない。
姿勢だけではなく、排便のタイミングや習慣も一緒に考えることが大切です。
「良い姿勢」は場面によって違う
今回勉強したことをまとめると、
排便には直腸と肛門の角度が関係する。
膝を少し高くした姿勢では、しゃがむ姿勢に近づく。
上体を少し前へ傾ける方法もある。
排便は「押す+緩める」の協調が大切。
全身で力いっぱい、長時間いきみ続ければいいわけではない。
そして、
足台は誰にでも有効な「便秘解消法」ではない。
ということでした。
腸活は「出すところ」まで
29日間勉強してきて、腸活を見る範囲がずいぶん広がりました。
最初は、
「腸に良いものを食べる」
というイメージが強かったのですが、
食べる
↓
消化する
↓
吸収する
↓
腸内細菌が働く
↓
便を作る
↓
大腸で運ぶ
↓
最後に出す
ここまで全部がつながっています。
そして最後の「出す」にも、
腸だけではなく、
腹圧、骨盤底筋、呼吸、姿勢、生活リズム
などが関わっていました。
腸活は、腸だけを見ることではない。
29日目まで勉強してきて、ようやくその意味が見えてきた気がします。
次はいよいよ30日目。
30日間学んで分かった「腸活とは何なのか?」
これまで勉強してきたことを、最後に全部つなげてみたいと思います。
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