美容師が学ぶ「健康美」⑦
姿勢は、見た目だけの話じゃない
「最近、なんだかお腹が出て見える」
「以前より老けて見える気がする」
「体重は変わっていないのに、体型が変わったように感じる」
そんなとき、つい体重や体脂肪ばかりを気にしてしまいます。
でも今回勉強してみたのは、「姿勢」です。
同じ人、同じ服、同じ体重でも、姿勢によって身体のシルエットや印象は変わります。
そして姿勢は、単に「きれいに見せるため」だけのものでもありません。
今回は、見た目から身体への負担、骨盤、お腹との関係まで、姿勢について勉強してみました。
そもそも「姿勢」って何?
姿勢というと、
「背筋をピンと伸ばす」
「胸を張る」
というイメージを持つ人も多いと思います。
でも私たちの身体は、骨だけで立っているわけではありません。
骨が身体の土台となり、筋肉が身体を動かし、関節が骨と骨をつないで動きをつくる。
そうしたさまざまな仕組みが協力しながら、私たちは立ったり、座ったり、歩いたりしています。
つまり姿勢は、
「身体をどう支えているか」
ということでもあります。
良い姿勢=胸を張る、ではない
猫背が気になると、
「胸を張らなきゃ」
と思ってしまいます。
でも、無理に胸を張って腰まで大きく反ってしまえば、それはそれで身体に負担がかかる場合があります。
猫背も。
反りすぎも。
無理に作った姿勢も。
大切なのは「正しい形」に自分の身体を無理やり当てはめることではなく、
無理なく身体を支えられる位置を探すこと。
ずっと力を入れて頑張らなければ維持できない姿勢を「良い姿勢」と考える必要はないんですね。
同じ体重でも、見た目は変わる
今回、健康美という視点で特に知ってほしいのがここです。
例えば、頭が前に出て背中が丸くなる。
すると肩の位置も変わり、お腹が前に出て見えることがあります。
反対に、無理なく身体を支えられる位置に立つと、身体のラインの見え方も変わります。
つまり、
体重が増えていなくても「太ったように見える」ことがある。
もちろん姿勢を変えれば痩せる、という意味ではありません。
脂肪が減るわけでもありません。
でも美容を考えたとき、体重計の数字だけでは分からない「見え方」があります。
「痩せなきゃ」と思う前に、一度自分が普段どんな姿勢で立ったり座ったりしているのかを見る。
それも、自分の身体を知る方法の一つだと思います。
姿勢は「見た目だけ」の話ではない
姿勢について調べていくと、もう一つ大切なことが分かります。
それは、身体への負担です。
例えば長時間のデスクワーク。
スマートフォンを長時間見る。
ずっと同じ姿勢で座っている。
身体の使い方に偏りがある。
こうした状態が続けば、首や肩、背中、腰など、特定の筋肉や関節に負担が集中することがあります。
だから、
「猫背だからダメ」
というよりも、
同じ姿勢や同じ身体の使い方を長く続けていることにも目を向ける。
こちらの方が大切なのかもしれません。
姿勢と「お腹の中」は関係する?
今回、私自身も気になったのがここです。
姿勢は骨や筋肉だけの話なのでしょうか?
実は、食後の姿勢は胃食道逆流などの症状と関係することがあります。
例えば食後すぐに身体を強く前に曲げたり、お腹を圧迫したりすると、胃の内容物が食道へ逆流しやすくなる場合があります。
だからといって、
「猫背だから消化不良になる」
と単純に考えるのは違います。
消化や胃腸の状態には、食事内容や量、生活習慣、病気などさまざまな要因が関係します。
姿勢だけですべてが決まるわけではありません。
ただ、食後に強く前かがみになる習慣などが、胃の不快感や逆流症状に影響する可能性がある。
姿勢は身体の外側だけの話ではない。
このくらいの捉え方をしておくとよさそうです。
「骨盤が歪んでいる」ってどういうこと?
美容や健康の世界でよく聞く、
「骨盤の歪み」
という言葉。
私も何となく、
「骨盤が左右にズレたり、形そのものが歪んだりしている」
ようなイメージを持っていました。
でも、この言葉には少し注意が必要です。
日常生活の姿勢だけで、骨盤の骨そのものが簡単にグニャッと変形するという話ではありません。
例えば骨盤が前方へ傾いたり、後方へ傾いたりすることがあります。
さらに周囲の筋肉、関節、背骨、脚などの状態や身体の使い方も関係しながら、姿勢や動き方に違いが現れます。
ですから、
「骨盤が歪んでいるから全部直さなきゃ」
と考えるより、
自分にはどんな身体の使い方のクセがあるのか。
そんな視点で考えた方が分かりやすいと思います。
頭から足まで、身体はつながっている
頭。
首。
肩。
背骨。
骨盤。
脚。
足。
身体はすべてつながっています。
例えば頭が前へ出れば、それを支えるために首や肩だけでなく、その下の身体も影響を受けます。
だから姿勢を考えるとき、
「肩だけ」
「腰だけ」
「骨盤だけ」
と一部分だけを見るのではなく、
身体全体を見ることも大切です。
美容でも「骨盤を整えれば全部解決」「ここだけ直せば痩せて見える」といった分かりやすい言葉は魅力的です。
でも身体は、そんなに単純ではないんですね。
では、毎日「正しい姿勢」をキープすればいい?
ここも今回の大切なポイントです。
「姿勢が大事」
と聞くと、朝から晩まで背筋を伸ばしていなければいけないような気がします。
でも、同じ姿勢をずっと続けること自体が身体への負担になることがあります。
だから、
仕事の合間に一度立ってみる。
少し歩いてみる。
肩や胸を軽く動かす。
伸びをする。
深呼吸してみる。
そんな小さな動きを日常の中に入れてみる。
「正しい姿勢を固める」より、まず身体を動かす。
完璧を目指す必要はありません。
姿勢も「健康美」のひとつ
これまで健康美シリーズでは、
体重。
筋肉。
体脂肪。
太ること。
痩せること。
いろいろな角度から身体について勉強してきました。
そして今回の「姿勢」。
これも結局、同じところにつながっているように感じます。
美容というと、
「もっと痩せたい」
「もっと若く見られたい」
「体型を隠したい」
と、今の自分から何かを減らしたり、隠したりする方向へ意識が向きがちです。
もちろん、きれいになりたいと思う気持ちは大切です。
でも美容の方法は、身体を小さくすることだけではありません。
自分の身体を知る。
身体を動かす。
筋肉を使う。
姿勢に気づく。
そして、今ある身体を心地よく使っていく。
「体型を直す」のではなく、今の身体と上手に付き合っていく。
その結果として、立ち姿や歩き方、身体の見え方まで変わってくるかもしれません。
健康があって、その先に美容がある。
何歳になっても美容を楽しむために。
私自身も、自分の身体について一つずつ学んでいきたいと思います。
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