美容師が学ぶ「健康美」②

痩せるだけが健康じゃない。まず「体重」をどう見る?

前回から始めた「健康美」シリーズ。

第1回では、「きれい」の基準は本当に一つなのか?というところから、私なりに考えていることを書きました。

今回からは、もう少し具体的に身体について勉強していきます。

最初のテーマは「体重」です。

「健康のために痩せる」はよく聞くけれど

世の中には、

「健康的に痩せよう」
「40代からのダイエット」
「○kg痩せる方法」

といった情報がたくさんあります。

もちろん、体重が増えすぎることで健康上のリスクが高くなることはあります。

ただ、ここで一つ気になることがあります。

体重は少なければ少ないほど健康なのでしょうか?

答えは、そう単純ではありません。

世の中には「痩せたい」という人がいる一方で、

「食べているのに体重が増えない」

「若い頃より痩せてきた」

「もう少し体重を増やしたい」

という人もいます。

特に年齢を重ねてからの体重減少は、必ずしも喜ばしい変化とは限りません。

健康を考えるなら、

「増えすぎ」だけではなく「減りすぎ」についても考える必要があります。

体重を見る一つの目安「BMI」

そこで、まず知っておきたいのがBMIです。

BMI(Body Mass Index)は、身長と体重から算出する指標です。

計算式は、

BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)

です。

日本肥満学会の成人に対する判定では、

18.5未満:低体重(やせ)
18.5以上25未満:普通体重
25以上:肥満

とされています。

例えば、

身長160cm、体重55kgの場合、

55 ÷ 1.6 ÷ 1.6 = 約21.5

となります。

BMIでは「普通体重」に分類されます。

自分の身長に対して体重がどのくらいなのかを知る、一つの目安になります。

でも、BMIだけで健康は分かる?

ここが今回、私が一番伝えたいところです。

例えば、

身長160cm、体重55kg、BMI約21.5

という人が2人いたとします。

数字だけを見れば、まったく同じです。

でも、一人は筋肉量が多く、もう一人は筋肉量が少ないかもしれません。

体脂肪の割合も違うでしょう。

つまり、

同じ体重でも「身体の中身」は違います。

体重は、筋肉、脂肪、骨、水分、内臓など、さまざまなものを全部合わせた数字です。

体重計に乗って表示される「55kg」だけでは、それぞれがどのくらいあるのかまでは分かりません。

BMIも同様です。

身長と体重から身体の大きさを把握するためには便利な指標ですが、筋肉量や体脂肪率などを直接測っているわけではありません。

だから、

「BMIが普通だから絶対に健康」

とも、

「BMIが高いから、その分すべて体脂肪が多い」

とも言い切れないわけです。

筋肉も「体重」の一部

ここは意外と忘れやすいところかもしれません。

筋肉も当然、重さがあります。

筋肉量が多くなれば、その分だけ体重が増えることがあります。

そのため、筋肉質な人ではBMIが高くても、単純に体脂肪が多いとは判断できません。

反対にBMIが普通の範囲でも、筋肉量が少ない場合もあります。

つまり、

体重が軽い=筋肉も十分にあって健康

とは限りません。

体重という数字を見ることは大切。

でも、その数字だけで身体全体を評価することはできないのです。

大人世代は「何kg減った?」だけではなく「何が減った?」

そして40代以降の健康を考えるうえで、もう一つ知っておきたいことがあります。

それが筋肉量の変化です。

年齢を重ねると、活動量や食事、さまざまな身体の変化などによって筋肉量が減っていくことがあります。

例えば以前より3kg体重が減ったとして、

「やった!3kg痩せた!」

と思ったとしても、その3kgがすべて余分な体脂肪とは限りません。

筋肉が減ったことで体重が落ちている可能性もあります。

だからこそ、大人世代では、

「何kg減った?」だけではなく、
「何が減った?」

という視点も大切になってきます。

体重は「答え」ではなく、自分を知る一つの情報

ここまで書くと、

「じゃあ体重なんて気にしなくていいの?」

となりそうですが、そういうことでもありません。

体重もBMIも、自分の身体を知るための大切な情報の一つです。

ただ、それだけを「健康の答え」にしない。

体重だけではなく、

筋肉はどうだろう?

体脂肪はどうだろう?

以前と比べて体力は落ちていないだろうか?

食事はきちんと摂れているだろうか?

身体を動かす習慣はあるだろうか?

そんなふうに、少し広い視点で身体を見ることが大切なのだと思います。

痩せたい人も、太りたい人も

健康美というと、「健康的に痩せる」という方向に話が進みがちです。

でも、このシリーズではそこだけにしたくありません。

痩せたい人もいる。

太りたい人もいる。

筋肉をつけたい人もいる。

今の身体を維持したい人もいる。

年齢も骨格も筋肉量も生活も違うのですから、全員が同じ身体を目指す必要はありません。

大切なのは、

理想とされる数字に自分を合わせることではなく、自分の身体を知ること。

体重は、そのための一つの手がかりです。

そして、その数字の奥にある「身体の中身」にも目を向ける。

健康を土台に、何歳になっても美容を楽しむために。

これから筋肉や体脂肪、年齢による身体の変化などについても、美容師として一つずつ勉強していきたいと思います。

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