「痩せた!」そのとき、何が減った?
前回の「健康美②」では、体重とBMIについて勉強しました。
そこで出てきたのが、
同じ体重でも、身体の中身は同じとは限らない
という話です。
体重は、筋肉・脂肪・骨・水分・内臓など、さまざまなものを全部合わせた数字。
だから体重が減ったときも、
「3kg痩せた!」
という数字だけではなく、
「何が3kg減ったんだろう?」
という視点も大切になります。
今回は「身体の中身」の一つ、筋肉について勉強していきます。
筋肉は「力こぶ」を作るためだけじゃない
筋肉というと、
筋トレをする人。
スポーツをする人。
ムキムキな身体。
そんなイメージが強いかもしれません。
でも、筋肉はもっと身近なところで毎日働いています。
立つ。
歩く。
椅子から立ち上がる。
階段を上る。
荷物を持つ。
姿勢を保つ。
こうした当たり前の動作にも筋肉が使われています。
また筋肉は、身体を動かすだけではなく、熱を生み出すことにも関わっています。
つまり筋肉は、見た目を引き締めるためだけのものではありません。
私たちが毎日生活するために必要な身体の組織です。
筋肉は年齢とともに減りやすくなる
筋肉量はずっと同じではありません。
個人差はありますが、加齢に伴って筋肉量は減少する傾向があります。
さらに、年齢だけではなく、
運動量の低下や食事など、さまざまな要因も筋肉の状態に関係します。
だから大人世代では、
「体重が増えたか、減ったか」
だけではなく、
「筋肉を保てているだろうか?」
という視点も持っておきたいところです。
「3kg減った!」でも中身は同じ?
例えば、以前より体重が3kg減ったとします。
数字だけを見れば、
−3kg
です。
でも、その3kgの中身は人によって違います。
余分な体脂肪が減ったのかもしれない。
筋肉も一緒に減っているかもしれない。
もちろん実際の身体では、水分などさまざまなものが関係するので、体重の変化を「脂肪か筋肉か」の二択だけで考えることはできません。
それでも、
体重が減った=すべて良い変化
とは限らないことは知っておきたいと思います。
大切なのは、
「何kg減った?」だけではなく「身体がどう変わった?」
を見ることです。
筋肉が減ると、日常生活にも影響する
筋肉量や筋力が低下してくると、見た目だけではなく日常生活にも変化が現れることがあります。
以前より歩くのが大変になった。
階段の上り下りがつらくなった。
椅子から立ち上がるのが大変になった。
重い荷物を持ちにくくなった。
こうした変化は、単に「年齢だから仕方ない」と片付けるのではなく、身体の状態を知る一つのきっかけにもなります。
体重計の数字がそれほど変わっていなくても、身体の中では変化が起きている可能性があります。
「サルコペニア」という言葉
ここで一つ覚えておきたい言葉があります。
サルコペニアです。
サルコペニアとは、加齢などに伴う筋肉量の減少に加えて、筋力や身体機能が低下した状態を指します。
ここで大切なのは、
「痩せている人=サルコペニア」ではない
ということ。
見た目や体重だけで判断するものではありません。
逆に、体重がそれほど減っていなくても、筋肉量や筋力が低下していることもあります。
だからこそ、
「体重が変わっていないから大丈夫」
とも言い切れないわけです。
昨日の「BMI」の話ともつながる
例えば同じ55kgの人が2人いたとします。
体重は同じです。
BMIも身長が同じなら同じになります。
でも、
筋肉量が多い人。
体脂肪の割合が多い人。
身体の中身は同じとは限りません。
だからBMIも体重も、自分の身体を知るための一つの目安。
数字だけで身体の状態すべてを判断することはできません。
昨日の勉強が、ここにつながってきます。
筋肉は「見た目」にも関わっている
そして美容師として考えると、筋肉は美容とも無関係ではありません。
筋肉は身体を動かし、姿勢を支えています。
立ち姿。
歩き方。
身体のライン。
動作や立ち姿も、その人の印象をつくる一つの要素です。
ただし、ここで、
「筋肉が多い人ほど美しい」
という新しい美しさの基準を作りたいわけではありません。
ムキムキになる必要もありません。
細くなることだけを目標にする必要もありません。
その人がその人らしく、元気に身体を動かせること。
健康美という視点では、そこを大切にしたいと思っています。
何のために筋肉を保つのか?
私は、ここが一番大切だと思っています。
筋肉を保つ目的は、見た目だけではありません。
買い物に行く。
仕事をする。
旅行に行く。
趣味を楽しむ。
家族や友人と出かける。
行きたいところへ自分の足で行く。
そんな毎日の「やりたい」を、できるだけ長く楽しむためでもあります。
今の体重計の数字だけを見るのではなく、
5年後、10年後も自分らしく生活できる身体を考える。
筋肉について知ることは、未来の自分について考えることでもあるのだと思います。
今日からできることを少しずつ
筋肉について知ると、
「じゃあ筋トレしなきゃ!」
と思うかもしれません。
でも、いきなり特別なことをする必要はありません。
身体を動かすこと。
必要な栄養を摂ること。
しっかり休むこと。
そして無理なく続けること。
日々の生活そのものが、これからの身体につながっています。
このシリーズでは今後、運動や食事についても少しずつ掘り下げていきます。
そして、最初から繰り返しているように、
「痩せること」だけを健康のゴールにはしません。
痩せたい人もいる。
体重を維持したい人もいる。
反対に、太りにくいことや体重が増えないことに悩んでいる人もいます。
身体は一人ひとり違います。
だからまずは、
体重という数字だけではなく、自分の身体の中身を知ること。
健康を土台に、何歳になっても美容を楽しむために。
私自身も美容師として、身体について一つずつ学んでいきたいと思います。
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